2011年7月24日より開始される地上デジタル放送は映像信号の処理を行うため、地上アナログ放送より実際の放送より1〜4秒
遅れて画面に表示される。
この為、時報は廃止され、テレビの時刻表示は変化の仕方を工夫し、この影響を最小限にしている。
緊急地震速報は地上アナログ放送より2秒ほど遅れることが確認されており、総務省、放送局および電機メーカーはこの遅延
問題の解決方法を検討している。
地上デジタル放送では、映像や音声データの圧縮といったデジタル信号処理が伴うため、送受信側双方で遅延が発生するた
めです。
緊急地震速報
緊急地震速報
横浜国立大の高橋冨士信教授らがまとめた報告によると、テレビの地上デジタル放送はアナログ放送に比べ、首都圏では平均
1・95秒遅れて受信され、携帯電話などで視聴するワンセグメント放送(ワンセグ)では、遅れは平均3・85秒だった。
東京湾北部の地下40キロでの地震発生を想定し、地震の揺れが来るまでに緊急地震速報がテレビで表示されない範囲を計算
した結果、アナログは震源真上の地表(震央)から半径約9・2キロだったが、地デジは約28キロ、ワンセグは約40キロと広範囲
だった。
規模の大きな地震ほど猶予時間が少ないので、もし、猶予時間が5秒程度の場合には、デジタル放送が2秒遅れると猶予時間は
3秒、ワンセグ携帯では1秒しか確保出来ないことになります。
これは、たかが2秒ではなく、命にかかわる2秒となることと思われます。
さらに、テレビ・ラジオ・携帯などの一般向け緊急地震速報は、デジタルなまずなどの高度利用者向け緊急地震速報に比べて
配信までの時間が少なくとも2秒程度遅れ、極端な場合では50秒も遅れます。
(平成19年10月1日 〜 平成20年9月30日 の間に気象庁からの一般向け緊急地震速報の配信結果)
これでは、一般向け緊急地震速報に大きな効果を期待することは出来ません。 (もちろん効果を期待出来る場合もありますが)
今後、国民の皆様の誤報・精度などの理解を得たうえでの一般向け緊急地震速報の警報震度の引き下げや、気象庁の予測震度
や猶予時間の精度向上が大いに望まれるところだと思います。