上の図は、震度計に記録された地震の様子です。
まず、P波が記録され、その後揺れの大きなS波が記録されるのが分かると思います。
大きな地震が来ると、最初に「カタカタ」と少し揺れ、その後「ぐらぐら」と大きな揺れが発生しますが、その「カタカタ」がP波で、
大きな被害をもたらす「ぐらぐら」がS波の正体です。
又、地震の前に遠くから「地響き」のような音を感じることがありますが、それもP波によるものです。
P波とS波の違いは?
エネルギーの大きさ
P波 :小さい S波 :大きい
波の伝わり方
P波 :波の進行方向と波の振動方向が同じ(縦波)
S波 :波の進行方向に対して振動方向が垂直(横波)
伝わる速度
P波 :秒速6km〜7km S波 :秒速3.5km
伝わる場所
P波 :固体・液体・気体 S波 :固体だけ
分かりやすく言うと?
地震が発生すると、「伝わる速度が速く」 「エネルギーが小さい」 P波が到着して、小さな縦揺れが発生します。
その後、「速度の遅い」 S波が到着し、「大きなエネルギー」 を持つ横揺れが発生します。
報道機関で発表される「震度」は、主にこのS波によるものです。
S波は「固体だけにしか伝わらない」ので、飛行機など空中にいる時は、巨大地震が来ても大丈夫。
P波は空気も伝わるので「地響き」のような音として聞くことも出来るし、海中を伝わり船舶に衝撃を与えることがあります。
このような現象は海震とよばれ、海震にあった船舶の乗組員は、「浅瀬に座礁した」などと勘違いをすることが多いようですが、
本当に船舶が破損してしまったという事例もあります。
P波とS波の速度の違いを利用すれば?
P波とS波の速度の差を利用して、先に到達する「P波」を全国の地震計で先に捉えることで、後から来る「S波」の到達時間及び
予想震度を計算することが出来ます。
その計算結果を地震が来る前に(S波が来る前に)、お知らせするシステムが今話題の気象庁の緊急地震速報です。